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電圧側の色の基本は「黒」接地側や色別の意味合いを解説

目次

電線についている色の意味と種類

電線の色分けは、電気工事や配線作業において混乱や事故を防ぐために重要な要素です。各色には特定の意味と役割があり、それに従って正しく配線されることで、安全な電力供給を確保できます。色分けは国内において規格に基づいて共通の色規格が使用されています。これにより、異なる地域で作業する電気工事士でも配線を理解できるようになっています。

この項では電線の色が持つ意味を解説していきます。

白(主に中性線)

白い電線は通常、中性線を示しアース(対地線)とも呼ばれています。

中性線は電流が回路を流れる際の戻り経路であり、電気機器を通って系統に戻る接続になっています。

白い電線は電圧を持たず、電流が常に一定方向に流れるため、中性線としての役割を果たします。

また、中性線・対地線を示す色として、ライトブルーが使われていることもあります。

緑(接地線)

緑の電線は接地線として機能します。接地線は電気設備や電子機器の外部金属部分を地につなぐことで、漏電や異常な電流が発生した際に安全に電流を逃す役割を果たします。

緑の電線は安全性を高め、人や機器のショックや火災のリスクを軽減する役割を果たします。電気工事士の試験においても「接地線が必要な機器と電線の太さ」についての問題がよく出題されています。

黒(電圧線)

黒い電線は通常、電圧線として使用されます。電圧線は電力を供給するための主要な導体であり、家庭や工業用の電気設備において電力を伝える役割を果たします。

電圧線は正確な電圧を維持し、電力が効率的かつ安定して伝送されるようにします。黒の電線は通常の交流回路において、白の線と100V、赤の線と200Vの電圧が生まれます。

赤(電圧線)

赤い電線も主に電圧線として使用されており、3芯以上のケーブルから登場します。

屋内の低圧配線において赤い線が必要な電気回路の場合は、2系統の回路がある、単相200V出力が必要であるなど、配線図から読み取ることも可能です。

低圧線の三相と単相の配線別色わけ

低圧線の単相・三相は高圧線または変圧器によって異なります。例えば、変圧器が単相接続であった場合、変圧器の二次側からの出力は単相三線式以下となります。

以下4つに分けて出力電圧と共に解説します。

  • 単相2線式(白・黒)
  • 単相3線式(白・黒・赤)
  • 三相3線式(白・黒・赤)
  • 三相4線式(白・黒・赤・緑)

単相2線式(白・黒)

単相2線式の配線では、白の中性線と黒の電圧線が使用されます。出力される電圧は主に100Vですが、白を電圧線として扱って200Vを出力する場合もあります。

単相3線式(白・黒・赤)

単相3線式の配線では、白い中性線、黒い電圧線、赤い電圧線が使用されます。白い電線は中性線として、黒と赤の電線は異なる位相の電圧線として機能します。

白と黒で100V、白と赤で100V、黒と赤で200Vの電圧が出力されます。

三相3線式(白・黒・赤)

三相3線式は白の中性線、黒と赤の電圧線が使用されます。三相3線式と同様に、黒と赤は異なる位相の電圧を伝える役割を果たしますが、三相においての白はアース、いわゆる対地線とは異なる働きをします。

三相3線式では異相間の電圧が、全て200Vの加圧がされます。変圧器二次側で言うと、電灯の電圧線と動力の占用線が使われ、回転が発生します。

三相4線式(白・黒・赤・緑)

三相4線式の配線では、白の中性線、黒と赤の電圧線、そして緑は接地線または動力線として使用されます。この配線方式は、配線ケーブルを削減する目的や専用機器のために使用されるものです。

電圧は単相3線式+接地線または単相3線式+三相3線式として接続されます。

なぜ電線のシースに色が付けられているのか

電線に色分けが行われる理由は、安全性と一貫性を保つためです。正しい色分けにより、電気工事士やメンテナンス作業者が迅速に適切な配線を識別できるため、誤った配線や接続のリスクが減少します。

また、ケーブルの色は日本産業規格にも定められており、日本または世界的に統一されたルールです。

電線規格R・S・T

電線規格において、R・S・Tという記号が使用されることがあります。これは三相電源の各相を示すものであり、電力供給のバランスと均一な電力伝達を確保するために重要です。各相の電圧がずれることなく、正確な動作が保たれるようになっています。これにより、電力の効率的な分配が実現されます。

色を間違えて配線すると?

電線の色を誤って配線すると、機器の損傷・短絡や地絡・供給支障といった施工不良につながり、最悪の場合は怪我や火災などに発展してしまう可能性があります。

そのために、送電前の接続状態の確認や電圧・相回転・絶縁測定・導通試験といった計器による最終確認が重要です。

電気工事士の実技試験で、配線間違いを重大欠陥として扱っているのも上記の理由が起因します。配線図の展開時には、電線の色まで取り決め、ミスを少なくすることが重要です。

電気工事士の実技試験でも重要

電気工事士の実技試験においては、正確な配線と色の認識が不可欠です。試験では電気設備の取り扱いや安全性に関する知識が試されますが、特に正しい色分けと接続方法の知識は合格の要件となります。

まとめ:低圧配線は白=アースと覚えておけばOK

低圧配線においては、白い電線が中性線(アース)を示すことを覚えておくことが大切です。正しい色分けは安全な電力供給と作業の効率を確保するための重要な手段です。電線の色とその意味を理解し、配線の作業において適切な知識と慎重さを持つことは、電気工事の安全性と信頼性を確保するために欠かせない要素です。

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この記事を書いた人

10年の電気工事経験のノウハウや知識を皆様に提供しています。
SEOライター・コラムライターとしても活動していますので、ライティングのご依頼も受け付けております。

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