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第一種・第二種電気工事士実技試験対策:配線図と複線図の完全ガイド

電気工事士の実技試験では、「実技試験」とはいうものの、運営者の体感では技術以上に配線図・複線図がしっかりと理解され正しく施工されているかが最大のポイントと言えます。なぜならば、技術的な採点では一発不合格の項目もありますが、ほとんどは減点で済む場合が多いからです。

また、複線図を書かずに試験開始の合図と同時に作業に着手した人のほとんどが、試験終了までに作業を完了することができていなかったように思えます。その理由として、「作業を始めたは良いけど、何と何を接続したらいいかわからなくなった」「頭の中で複線図を描いたが、スムーズに作業が進まなかった」などが挙げられるでしょう。

そこでこの記事では、配線図と複線図を作る上で、必要なポイントを解説しています。今年の受講でなんとしても合格を目指している方は、ぜひ最後まで目を通してください。

目次

配線図と複線図

電気工事士の合格を目指すのであれば、配線図を十分に理解し複線図を正確に書き出す能力が必要不可欠になります。そのため、いきなり実作業の練習を始めるのではなく、配線図と複線図について勉強していくといいでしょう。

複線図の基本概念

複線図とは、電気配線作業において、実際の配線の接続状態を示した図です。配線図が回路の全体像を示すのに対して、複線図は各電線の接続方法を具体的に示します。複線図を作成することで、作業ミスを減らし、効率的に配線作業を進めることができます。

例えば、VVF2.0とVVF1.6が交差するポイントに、図面に記載されているように「差し込み型コネクタ」または「リングスリーブ」とそのサイズを表記する。また、2心と3心が交差する場合は「赤相がどの相と繋がるのか」といったものを正しくわかりやすく展開していくモノです。

配線図

配線図は、電気回路の構成を視覚的に示した図です。電気器具や配線の接続方法、電線の長さ理解するために使用されます。この段階で重要になるのは以下の通りです。

  • 使用する機器の記号
  • 機器の配置
  • 電線の長さ
  • 使用する電線種別

こちらをどの図面を見ても正確に理解・把握できるよう勉強することが重要です。すでに内線工事の実務経験や、第1種・第2種電気工事士の実技試験の経験がある方は、なんとなく理解があると思いますが、実技の技能以上に配線図は重要なものと認識しておくと良いでしょう。

複線図

配線図をもとに、実際の配線作業に必要な結線方法を示した図です。VVF3芯の場合、白がアース、黒が電圧線、赤も電圧線として、単相3線式配線となります。赤を電源として単相2線式に分岐するルートなどを細かく書いたものが配線図です。

実際に電気工事に従事している人であれば、配線図だけで作業に進むことは特段難しいことではないかもしれませんが、そうでない人は練習を重ねたとしても、わずかなミスをなくすため複線図を書く練習から始めるといいでしょう。

配線図の作成

まず、設計する電気回路の全体像を考えます。どのような機器が必要か、どこに配置するかを決定します。

(令和6年度 第二種電気工事士実技試験 問1の問題)

上記は「令和6年度 第二種電気工事士実技試験 問1の問題」です。

この問題で重要なポイントは、3つ繋がったスイッチ(イロハ)が、それぞれの端末(シーリングのイやランプレセプタクルのロと、施工省略となっているハ)に連動するよう結線しなければならないことです。

以下のステップで配線図を作成します。

  1. 電源の位置を示す: 配線図の始点として、電源(AC100Vなど)の位置を示します。
  2. 配線経路を描く: 電源から各機器への配線経路を描きます。配線は電線の色を使って明確に示します。
  3. 機器の配置を示す: スイッチ、電灯、コンセントなどの機器の位置と接続方法を示します。
  4. 接続方法を示す: 各機器がどのように接続されるかを詳細に示します。電線の接続点を明確に描きます。

配線図は、上記問いの図面と大きく変わりません。しかし、「A→イ」へ配線されるVVF1.6-2Cの長さ150mmは実長であるため、Aで使用される余長100mmと、イで使用される余長50mmは換算されていないので、「A→イ」は300mmで採寸して切断する必要があります。(試験で使用する同じケーブルは1本で用意されるため採寸し切断が必要)

また、スイッチ同士を”渡る”分の電線についても考慮が必要となるため、それぞれが接続するに至ってどれくらいの長さが必要なのか把握しておきましょう。

複線図の作成

  • 正確な接続: 各電線の接続点を正確に描き、配線ミスを防ぎます。
  • 見やすさ: 図を見やすくするため、電線の経路や接続点を整理して描きます。
  • 配線の色分け: 電線の色(黒、白、赤など)を明確に示し、作業中の混乱を防ぎます。

採寸と切断が終わったら、次は細かく「どの色の線が、どれとどれに接続されるのか」わかるように展開していきます。まず、電気の根本的かつ絶対的なルールとして以下を念頭におきましょう。

  • 電源側の白は電気の戻り道
  • 黒または赤は、単相負荷の場合一つだけ

シンプルですが、複線図を書かないまま作業を進めると間違えやすいポイントです。以下の画像を見てみましょう。

伏線図
「令和6年第2種電気工事士実技問1」Aの伏線図

このように、白=アースまたは戻り線と言われていますが、使用する電線と、スイッチを通らなければならない関係上、白い線を電圧線(黒や赤)の代わりとして使用する場合があります。

また、上記画像のように接続箇所をわかりやすくすることで、使用するリングスリーブや差し込み型コネクタのサイズも記載、またはわかりやすくなるため、施工不良(減点または失格)のリスクを軽減できます。

試験会場では色つきのボールペン等が使用できないため、漢字ではなくローマ字での表記に慣れておくことをおすすめします。

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この記事を書いた人

10年以上の電気工事経験のノウハウや知識を皆様に提供しています。
第二種電気工事士・第一種電気工事士・1級電気工事施工管理技士
その他:乙種危険物などの資格所持
SEOライター・コラムライターとしても活動していますので、ライティングのご依頼も受け付けております。

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