未経験でも合格できるのか?【結論:できます】
第二種電気工事士は、未経験者でも十分に合格可能な資格です。 実際、受験者の多くが電気の専門知識を持たない状態から学習を始め、合格しているからです。
これは運営者の体験談ですが、工業高校の電気関係学科では取得を目指す資格として、まず第二種電気工事士を挙げる高校が大半です。学校としての箔をつける、、といった理由もあるかと思いますが、高校生でも難易度が低い国家資格とも言えます。
確かに、専門知識や計算公式、「〇〇の法則」など、あまり馴染みの無い箇所は苦戦するかもしれませんが、決して未経験だからと敷居を高く感じる必要はありません。
電気の知識ゼロでも合格できる理由
- 試験の困難度は比較的低いめ
- 第二種電気工事士の合格率は筆記試験で約60~70%、技能試験で約70~80%と、他の国家資格と比べても取得しやすいことがわかります。
- また、筆記試験の合格は持ち越しできるため、次回は実技試験に集中できます。
- 試験範囲が明確で対策が立てやすい
- テキストは分厚いですが、過去問を繰り返し解くことで対応可能です。
- 技能試験の候補問題(公表問題)は事前に全13問が公開されているため、計画的な練習が可能。
- 独学でも合格できる環境が整っている
- 市販のテキストや動画講義、問題集など、学習ツールが豊富です。
- 実技試験対策用の練習キットも販売されており、自宅での学習が可能です。
「勉強が苦手でも大丈夫?」よくある不安を解消
- 数学が苦手でも合格できるのか?
- 計算問題は基本的な四則演算ができれば対応可能。公式も決まっているため、暗記できれば解けます。
- 50問中、6割が合格ライン。計算問題は約10問のため、神経質になる必要はありません。
- 電気の知識ゼロでも理解できるか?
- 過去問題を5年〜10年分を繰り返しやっていけば、初学者でも学習可能。
- 電気知識は後からゆっくりと身につければ良いので、まずは「試験に合格できる勉強」を。
- 工具を扱ったことがなくても問題ないか?
- 技能試験は決められた作業を繰り返し練習すれば対応できる。
- 筆記試験合格からある程度の日数もあるため、練習期間は十分にあります。
最短で合格するための勉強法【無駄を省けばラクになる】
第二種電気工事士のテキストは非常に分厚く、試験とは関係ない(必要な知識ではあるが、直接的な影響がない)部分も多く記載されています。そのため、テキスト全てを覚えようとすると膨大な時間が必要となるため、より手軽に合格する確率を上げていきましょう。
独学 vs. 講習、どっちがいい?
第二種電気工事士を未経験から勉強しようとすると、有料講座を受講しようか悩ましいところかと思います。しかし、有料講座は国家資格ということもあってか、なかなかな値段がするため手が出しにくいところです。独学と有料講座のメリットとデメリットを比較してみて、どちらが自分に合った勉強法なのか確認してみましょう。
独学 | 有料講座 | |
費用:筆記 | 10,000円以下 (テキスト2冊と仮定) | 3〜50,000円 (コースによってはそれ以上) |
費用:実技 | 実技練習キット2〜30,000円 (工具付き) | 5〜100,000円 (コースによって変動) |
費用:合計 | 最大50,000円程度(試験費用を除く) | 15〜200,000円(試験費用を除く) |
勉強時間 | 50時間程度 (1日1〜2時間で約1月) ※個人の能力や基礎知識により変動 | 40時間程度 講習会は2〜5日程度 |
講習会では、電気学の基礎知識や計算の求め方など、未経験にとっては必要な知識を教えてくれます。しかし、費用の高さが独学と比べるとあまりにも差がありますし、計算問題は50問中約10問程度であるため、それほど重要視する必要なないかと感じます。
とはいえ、どの講座でも合格率の高さを謳っているため、受講による効果はあるのでしょう。しかし、効率の良い勉強法を実行できれば、独学でも十分合格可能な資格であることは間違いありません。
未経験者向けの効率的な勉強法(書き込み・実技)
独学での勉強を選んだ方に、運営者が実施した「資格に合格するための勉強法」をお伝えします。人によっては向き不向きもありますが、参考にしてください。
- 過去問10年分を繰り返す
- ほとんど同じ問題が使われている
- 電気学や法規の中でも出題される問題が決まっている
- 過去問は無料でゲット
- わからないところはYouTubeで
- 写真問題・法規は確実に
参考書には、第二種電気工事士に関する法令が掲載されていますが、試験の中で出題されるのはごく一部です。法令の改訂によって内容が変わることがあっても、それほど大きく入れ替わることは稀です。
電気学にしても同じです。4者択一問題のため、簡潔に書かれた正解を覚えていくだけで少しずつですが知識を身につけていけます。また、過去問は試験の運営をしている「一般財団法人電気技術者試験センター」のHPから閲覧できるため、費用は一切かかりません。
さらに、第二種電気工事士は合格者が多い資格であるため、資格に関するYouTubeやブログを運営している人が多数います。専門性が強いと情報は少ないかもしれませんが、資格合格に焦点を当てれば十分納得できるでしょう。
また、筆記試験では画像に対して「この工具の名前はなんでしょう?」といったイージー問題があります。こういった問題が5問程度ありますので、取りこぼさないよう確実に覚えるようにしておきましょう。
合格者が実践したスケジュール例
まずは筆記試験の合格を目指しましょう。筆記試験は5月と10月の年に2回実施されています。都合が良い方を選び、試験まで1ヶ月〜2ヶ月前を目安に勉強を始めると良いです。
電気に関する知識がなければ、過去問題を見ても訳がわからないと思いますので、まずは解答を見ながら過去問題を見ていきましょう。過去問題の解説が掲載されたテキストが手元にあればなお勉強が捗ります。
当日は緊張や新しい問題に時間がかかることを考慮して、試験1週間前には、過去問を40分程度で解き終わるようになれるよう進めていきましょう。
失敗しない実技試験対策【ここを押さえれば合格率アップ】
筆記試験が終われば技能試験の準備です。技能試験では図面をもとに、実際に施工して図面通りの配線を完成させるというものですので、図面に対する知識と試験に合格するための技術を身に付けなければなりません。
そのため、筆記試験が終われば合格発表を待たず図面の”読み方”を勉強していきましょう。
未経験者がつまずくポイントと克服法
- 施工ミス(電線長さ不足、結線ミス)
- 必ず図面通りに確認しながら作業を進める
- 配線図・伏線図を作成する
- 時間切れで作業が終わらない
- 何度も練習し、作業時間を短縮することが重要
- 作業時間は40分以内・図面読みを20分以内を目標
- 工具の使い方がわからない
- ペンチ、圧着ペンチ、ストリッパーなどの使い方を事前に確認する
- 何度も繰り返し触っておく
施工については、手先に自信がある人であればそれほど難しいものではありません。技能試験で難しいとされているのは、「図面の読み方」です。ここを十分に勉強できていれば、決して難しい試験ではないので、筆記試験が終了したらすぐ準びに取り掛かりましょう。
第一種・第二種電気工事士実技試験対策:配線図と複線図の完全ガイド
資格取得後のキャリアアップ
電気工事は建設業に分類される現場作業が中心となります。日本全体の雇用が売り手となっていますが、電気工事の作業員人口が年々減少しているため、電気工事士の資格を持った人材は非常に貴重です。また、インフラに関わり専門業務ともあって、年収は日本の平均より高い場合がほとんどでしょう。

電気工事士の時給・時間はどれくらい?
第二種電気工事士の資格があれば、電気設備の設置やメンテナンス業務ができます。最初は未経験ということもあり、いきなり高給取りとは現実的に難しいと思いますが、経験を積むことで月収30万~40万円以上、年収600万円以上も可能な仕事です。
勤務時間は企業や部署によって変わるため、一概に言えません。
未経験から就職・転職する方法
- ハローワークや転職サイトを活用する
- さらに上位資格・第一種類電気工事士をとってキャリアアップを目指せる
まとめ|「やってみたら意外と簡単だった」と言わせよう
「未経験だから無理」と思うのは損!です。
- 正しい方法で勉強すれば、未経験でも合格できる
- 合格すれば、キャリアアップの選択肢が広がる
第二種電気工事士は、未経験からでも取得可能な資格です。 特に、資格を相談して十分キャリアアップを目指したい人にとっては、働きながらでも取得でき、転職や独立の足がかりになることも。
「資格がないから」とキャリアを諦めるのではなく、まずは一歩踏み出してみましょう。