電気工事の三大資格のうちの一つである「第二種電気工事士」。他の資格に比べて扱うものが身近であるため、資格所持者の雇用需要も高く、自宅などの改修にも活用できることから人気が高い資格の一つです。
そんな第二種電気工事士は、就職や転職に有利になるだけでなく、DIY、事業主として活動することもできます。
第二種電気工事士ができること
第二種電気工事士は、一般住宅や小規模店舗での低圧電気設備の設置、保守点検ができるようになります。例を挙げると、
- コンセント
- 照明
- エアコン
- 屋内配線
- システムキッチンなどの家電
屋外に出れば、電気メーターの取り付けや交換、ビルの電気設備メンテナンス、一般家庭用太陽電池発電設備なども第二種電気工事士が作業できる範囲です。（参照：経済産業省）
また、DIYとして自宅の電気設備を触る際でも、電気工事士に資格が必要であるため、DIY目的のために資格を取得する人もいます。
第二種電気工事士とは？その役割と重要性
第二種電気工事士は電気工事士法に基づき、経済産業省が管轄し都道府県知事から免状が発行される「国家資格」です。600V以下の一般電気工作物（一般家庭や小規模オフィスなど）※電気工事士法第3条が該当します。コンセントの設置や照明など
また、以下の軽微な作業を除く電気工事は、第二種電気工事士または、該当する電気工事士の資格を持たなくても作業可能です。
電気工事士が無くてもできる軽微な作業
差込み接続器、ねじ込み接続器、ソケット、ローゼット、その他の接続器又はナイフスイッチ、
カットアウトスイッチ、スナップスイッチその他の開閉器にコード又はキャブタイヤケーブル
を接続する工事
② 電気機器（配線器具を除く。以下同じ）の端子に電線（コード、キャブタイヤケーブル及び
ケーブルを含む。以下同じ）をネジ止めする工事 等
普段見える電線（電力会社の設備を配電線路と言います）や、低圧受電した設備の敷地から飛び出して配線されているものは、「自家用電気工作物」に該当するため、第二種電気工事士では作業できません。
参考：経済産業省
資格取得のメリットと将来性
資格を所得することで、電気工事会社への就職が有利になることはもちろん、仕事の幅が広がりキャリアアップにも繋がります。電気工事についての資格は、第二種電気工事士の他にも、第一種電気工事士、1級電気施工管理技士、三種電気主任技術者（電検3種）など多岐にわたります。その登竜門とされているのが、第二種電気工事士です。
電気工事士に向いてる人
大工や土木と同じように、電気工事の世界は職人気質の世界です。上下関係も強いですが、何より「腕の良さ」も重視される実力主義が強く、体育会系といえます。
重いものを持ち上げたり、長い時間立ちっぱなしで働いたりする体力面と、細い電線を操ったり正確に施工するための手先の器用さ、さらに完成度を左右する美的センスが必要となってきます。
また、施工不良があると事故につながることもあるため、真面目な性格であることも重要といえます。スポーツで表すと、キャッチャーやキーパーといった役割でしょうか。
電気工事士の年収は？
電気工事士は、現場作業ということや専門職ということもあり、年収は比較的高めです。
| 電工2種 | 電工1種 | |
| 年収 | 300〜450万円 | 400〜500万円 |
| 経験を積むと… | 500〜600万円 | 600万円以上 |
中には第二種電気工事士でも年収700万円を超える求人もあるため、”手に職”と言える仕事でしょう。
資格取得後に必要な手続き：電気工事業登録の重要性
第二種電気工事士を持っていると、事業主として活動できるようになります。
- 電気工事士としての個人事業例
- 電気工事が伴うエアコン設置
- 電熱線を使用したロードヒーティング
- リフォームやDIYの電気工事
- など
しかし、報酬をもらう場合は、電気工事業の登録が必要です。また、資格を持っていたとしても、実際に施工する場合は試験の中では触らない工具や材料もあるため、従事している企業で下積みするといいでしょう。
電気工事業登録はネットで比較的簡単にできます。経済産業省
第二種電気工事士の資格取得方法と試験情報
第二種電気工事士は筆記と実技併せて毎年20万人近く受講し、約7割の人が合格しています。国家資格としての取得難易度はそれほど高くないため、電気工事未経験のまま合格している人も少なくありません。
試験日や試験値については、一般財団法人 電気技術者センターのサイトから確認できます。
よくある質問（FAQ）
第二種電気工事士は難しいですか？
電気に関する知識が全くない状態からだと難しいかもしれませんが、決して合格できないほどの難易度ではありません。独学での取得も十分可能です。
仕事に困らない資格ですか？
電気工事の作業員は年々減少傾向にあるため、どの企業も人手不足と言えます。電気は生活に根付く必要なものなので、需要がなくなることは到底ありません。その電気の専門資格であるため、仕事に困ることは滅多にないでしょう。
何年で取得できますか？
勉強次第では1年（筆記実技１回ずつ）で取得可能です。第二種電気工事士は免状発行に実務経験などの条件も必要ないため、資格に合格できればすぐに免状を発行でき、電気工事士として活躍できます。
