「電線管に何本まで通せるんだっけ?」「この距離だと電圧降下で落ちるかな?」
「ブレーカーの端子に入らない太い電線はどう処理する?」
現場の職人や施工管理者が、図面や検討のたびに必ず直面する「配線の選定・計算」の悩み。毎回内線規程を広げたり、過去の資料を探したりするのは時間の無駄です。
本記事では、電気工事現場で必要となる「電線の許容電流」「電圧降下」「過電流保護(ブレーカー)」の3大要素を網羅し、それぞれを計算・選定するための実務的なフローを1ページにまとめました。
ブックマークしておけば、現場のポケットでいつでも確認できる「最強の現場辞書」として活用いただけます!
1. 現場の配線設計:3ステップの選定フロー
どんな現場でも、以下の3ステップを通せば「施工不備」と「機器トラブル」は防げます。
- 【許容電流の確認】機器の定格電流 ≦ 電線の補正後許容電流(※管内本数・周囲温度補正を忘れずに!)
- 【電圧降下の確認】配線距離と電流から電圧ドロップを算出 ≦ 規定の許容限度(2%〜7%)
- 【ブレーカー保護の確認】電線の補正後許容電流 ≧ ブレーカー定格電流(※モーター負荷がある場合は1.25倍/1.1倍ルールを適用)
2. 許容電流と管内本数・熱補正の計算(子記事①まとめ)
電線選定の基本は「カタログ値を鵜呑みにしないこと」です。
- 電流減少係数:管内に通す本数が3本を超えると、許容電流は大幅に下がります(4本で0.63倍など)。
- 周囲温度補正:夏場の天井裏(50℃超)を通る幹線は、CVケーブルへの変更やサイズアップで熱暴走を防ぐのがプロの鉄則。
➔ 【詳細解説】電線の許容電流と電流減少係数の計算ガイドはこちら
3. 電圧降下の計算とサイズアップ(子記事②まとめ)
配線距離が長くなると、どんなに許容電流に余裕があっても「電圧ドロップ」で機器が起動しません。
- 暗算テクニック:距離(m) × 電流(A) ÷ (スケア数 × 30) = 下がる電圧(V)
- トラブル対策:仮設現場の電工ドラムは「全開」で使う。太い電線が端子に入らない時は「CB棒端子」や「中継ジョイント」をフル活用する。
➔ 【詳細解説】電圧降下の計算式と許容限界割合の完全解説はこちら
4. ブレーカーと電線サイズの組み合わせ(子記事③まとめ)
電線サイズはブレーカーの容量だけで決めるのではなく、モーターの突入電流や端子への物理的制約も考慮します。
- 分岐回路の原則:15A/20Aブレーカーには原則2.0mm以上の電線を使う(現場の安全率)。
- モーター負荷:起動電流対策で「モーター保護用遮断器」や「遅動形ブレーカー」を選定する。
➔ 【詳細解説】過電流遮断器(ブレーカー)と電線サイズの選定ルールはこちら
5. 【現場用】早見表・数式クイックリファレンス
| 項目 | 現場で役立つ重要データ |
| 管内本数補正 | 4本:0.63 / 5〜6本:0.56 / 7〜15本:0.49 |
| 許容電圧降下 | 標準:2〜3% / 長距離:4〜7% |
| 単相2線電圧降下式 | e = (35.6 × L × I) ÷ (1000 × A) |
| 三相3線電圧降下式 | e = (30.8 × L × I) ÷ (1000 × A) |
まとめ:これさえあれば配線トラブルは防げる
配線選定で一番やってはいけないのは「なんとなく大丈夫だろう」という勘に頼った施工です。
- 許容電流で「燃えない」ことを確実にする。
- 電圧降下で「動かない」トラブルを潰す。
- ブレーカー選定で「過負荷から守る」設計にする。
この3つの視点さえ持っていれば、どんな現場でも自信を持って施工できます。この記事をブックマークし、現場での迷った時の判断基準としてご活用ください!