1級電気工事施工管理技士の試験概要
電気工事施工管理技士とは、様々な施工管理技士の中で「電気工事」を専門とした資格です。中でも1級は、電気工事の総工費の上限なく、スケジュール・資材・人数など様々な工事に関する調整や決定を行えるようになります。
試験は一次・二次検定に別れ、一次では電気学と合わせて施工管理に関する知識や法律が出題され、二次検定では施工管理に関する分野が、より具体的になった記述問題が中心です。
| 分野 | 出題数 | 解答問題数 | 方式 | 合格条件 | |
| 午前の部 | 電気工学 | 6問:No.1〜6 | 6問(必須) | 四肢択一 | |
| 電気設備 | 6問:No.7〜12 32問:No.13〜44 | 4問(選択) 14問(選択) | |||
| 関連分野 | 8問:No.45〜52 | 5問(選択) | |||
| 設計・契約関係 | 2問:No.53・54 | 2問(必須) | |||
| 午後の部 | 施工管理法(応用能力) | 6問 No.55〜60 | 6問(必須) | 五肢択一 | 50%以上 |
| 施工管理法 | 7問 No.61〜67 | 7問(必須) | 四肢択一 | ||
| 工事施工 | 9問 No.68〜76 | 6問(選択) | |||
| 法規 | 13問 No.77〜89 | 10問(選択) | |||
| 計 | 89問 | 60問 | 36問以上 |
上記は一次検定の概要です。回答数60問中、6割となる36問以上かつ施工管理法(応用能力)を50%以上正解できれば合格となります。続いては二次検定です。
| 令和6年二次検定 | |||
| 問題番号 | 出題区分 | 備考 | |
| 問題1 | 施工経験記述 | 工程管理 | 記述問題 |
| 課題2つ・課題に対する対策2つ | |||
| 問題2 | 施工経験記述 | 品質管理 | |
| 課題2つ・課題に対する対策2つ | |||
| 問題3 | 施工管理法 | 語句の説明(安全管理) | 複数解 |
| 問題4 | 電気設備全般 | 用語の説明 | |
| 問題5 | 計算問題 | 配電線路に関する計算問題 | 五肢択一式 |
| 問題6 | 法規 | 建設業法・電気事業法 | |
問ごとのボリュームでみると、問1・2で50%、問3・4で30%、他で20%といった感じです。令和6年から出題方法が変わったため、過去問題から勉強する際には注意が必要です。
令和8年では、一次検定が7月12日(日)(合格発表8月25日)、二次検定は10月18日(日)(合格発表2027年1月8日)となっています。
| 受付期間 | 試験日 | 合格発表 | |
| 一次試験 | 2月13日~2月27日 ※第一次検定のみの受検申請に限り 2月13日~4月7日 | 7月12日(日) | 8月25日(火) |
| 二次試験 | 2月13日(金)~2月27日 | 10月18日(日) | 2027年1月8日(金) |
試験の難易度と合格率
第1種電気工事士をランクCとするならば、1級電気工事施工管理技士の難易度は『ランクB』といったところでしょう。ちなみに比較対象として第三種電気主任技術者を挙げると、ランクA+程度の差はあると感じています。
令和6年から出題傾向が大きく改定されたものの、合格率にそれほど差はなく一次試験は40%前後、二次試験は50%〜60%程度であり、令和7年の二次試験は70%近い合格率を記録しています。
難易度が高いとされる要因として、専門的情報がほとんどである点が挙げられますが、実務として電気工事に携わっているものならば、少なからず知見のある分野であるため、全く手に負えない訳ではありません。ではデータとして、どれほどの難易度なのか見てみましょう。
過去の合格率データを基にした難易度の分析
出題問題が改定された令和6年からの合格率を見てみましょう。
| 一次検定 | 二次検定 | |
| 令和7年(2025) | 41.5% | 69.6% |
| 令和6年(2024) | 36.7% | 49.6% |
一次検定は改訂前も概ね40%前後を推移しているため、合格率自体に大きな変動はありません。また、二次検定は令和6年度を除くと60%前後を推移しています。
令和6年度の二次検定では、どのように問題が出題されるのか、参考書出版社ですら推察の域を出なかったため、対策が不十分となった受験者が多く合格率が下がったと予想されます。しかし、令和7年度の二次検定では合格率も大きく上昇したことを見ると、現段階では対策さえできていれば、6割以上の受験者が合格できるレベルに落ち着いたと考えられます。
一次・二次検定の合格率を見るに、最大の難関は一次検定でしょう。この資格は、資格の性質上、「第一種電気工事士」の一次試験とは毛色が異なります。作業員視点の問題から管理職視点の問題と変わるため、電気工事従事者であっても初めて見聞きするものばかりです。
とはいえ、合格率はその資格に向けて勉強してきた人たちの結果であるため、一概にその試験の難易度を測れるものではないでしょう。例として、電験三種と電験二種では、より難易度が高いとされる電験二種の方が合格率が高いデータがあるので、受験を諦めたり弱気になる要因ではありません。
筆者が感じるこの資格の難易度が高い要因
私が思うに、この資格の難しさは「働きながら勉強する」という環境にあると感じています。この資格を受けるには一次試験で満19歳以上、二次試験では所定の実務経験が必要です。
前項での合格率を見て貰えば分かるように、一次試験よりも二次試験の方が合格率が高いのは、出題される内容が実務に関連する内容に近いため、それほど苦に感じていないと推測されます。個人の感想ではありますが、私自身も一次試験より二次試験の方が自信がありましたし、難しさもそれほど感じませんでした。
受験資格も難易度を高める要因の一つ
一級電気工事施工管理技士は受験するためにも条件があります。令和6年度より、一次試験は満19歳以上・二次試験は所定の実務経験が必要です。
受験資格を満たすための実務経験や学歴要件
電気工事士の学歴を見ると、高卒が約56%と最も多く、次いで大学卒(約17%)、専門学校卒(約12%)、高専卒(約2%)の順です(職業情報提供サイト job tagより)。
施工管理技士という資格は、作業員ではなく「現場を管理する」立場に必要な資格なので、高卒からの作業員がキャリアアップするための資格という位置付けにされることが多いですが、ゼネコンなどへの入社を目指している大学生という立場で見るならば、施工管理技士補の資格を取得しておくのは選択肢を広げる手段として有効でしょう。
受験資格取得の難易度と対策
最短でこの資格の取得を目指すならば、第一種電気工事士の取得は必須と言えるでしょう。将来的にキャリアアップを目指しているのであれば、この資格を重要視している会社も多いかと思います。しかし、いざ昇進などの年齢やタイミングに差し掛かった時に、資格を持っていない、そもそも受験資格すらないのでは格好がつきません。
私が以前所属していた会社では、第一のステップアップとして、第一種電気工事士と一級電気施工管理技士の二つを取得していることが暗黙の条件でした。
筆者の1日1時間×1ヶ月で合格した効果的な勉強方法
先述したように、1級電気工事施工管理技士の難易度は
- 働きながら勉強しなければならない
- 実務経験の助力が得にくい一次検定
が挙げられます。また、受験費用も一次検定・二次検定合わせると31,600円と高額です。「受験するからには何がなんでも合格したい」けれど勉強する時間や体力は限られている、、。という方に、私が実際に合格した時の勉強法を紹介します。
それは、出題傾向を読み解くことです。過去問集を10年分バーっと見てみると、概ね3年周期で似たような問題が出題されているのがわかります。別の記事に詳しくまとめてるので、参考になるかご精査ください。
私は試験内容が改定される年の令和6年度に受験し、一次・二次ともに合格しました。その前には令和4年にも一度受験してますが、一次検定で落ちています。
そんな私でも一般的な参考書(2年落ち)と過去問集しか使っていません。一般サラリーマンの財布事情を考えれば、有料講習なんて高くて手が出ませんよ。同じ仲間としてみなさんの健闘を祈ります。
