📌 この記事の要点(結論サマリー)
- CPD(継続教育)と経審加点
経営事項審査(経審)の改正により、CPD単位を年間所定数取得している技術者が在籍する企業に対し、技術力・社会性評価(Z評点・W評点)での加点措置が導入されている。- 経審加点の基準
1年間に取得すべき推奨単位数(プロバイダーごとに定められた30単位〜50単位等)をクリアし、「CPD単位取得実績証明書」を発行・提出することで、企業としての評価点数が直接アップする。- 効率的な単位取得
現場が忙しい施工管理技士でも、Webによるeラーニング講習、業界団体セミナー、資格取得や論文発表を組み合わせることで、在宅・夜間のスキマ時間で無理なく単位を達成可能。
「会社から『経審の加点になるから今年度中にCPD単位を取ってくれ』と言われたが、何から手をつければいいのか?」
「施工管理の現場が忙しい中、どうすれば効率よく必要なCPD単位を集められるのか?」
公共工事の入札参加資格や総合評価方式に直結する経営事項審査(経審)において、近年ますます重要視されているのが「技術者のCPD(継続能力開発:Continuing Professional Development)単位」です。
制度改正に伴い、1級・2級電気工事施工管理技士などの技術者がCPD単位を計画的に取得・保持していることが、会社の評価(加点)へ直接反映される仕組みが整備されました。
しかし、現場管理や書類作成に追われる施工管理技士にとって、「講習を受講する時間が取れない」「どのプロバイダーで単位を管理すればいいかわからない」といった実務上の悩みがつきません。
この記事では、現役の施工管理技士・現場代理人に向けて、電気施工管理におけるCPD制度の基本、経審加点が入る具体的な仕組みと必要単位数、忙しい現場の合間に効率よく単位を集める実践ルート、会社での評価を高める運用ノウハウを分かりやすく徹底解説します。
入札に関係するのであれば、本来は従業員に任せきりにせず、会社側が率先して時間と手続きを確保するべきと、個人的には思います。。
会社側に説明するためにも、本稿を参考にしてください。
1. 【制度の基礎】施工管理技士のCPD(継続教育)と経審加点の仕組み
まず、CPD(継続能力開発)制度がなぜ建設会社や施工管理技士個人にとって重要なのか、その基本構造と経審(経営事項審査)への影響を整理します。
1. CPD(継続能力開発)制度とは?
施工管理技士や技術士などの技術者が、資格取得後も最新の施工技術・関係法令・安全管理手法などを学び続け、プロとしての能力水準を維持・向上させるための継続学習プログラムです。学習実績が「単位(ポイント)」として数値化されます。
2. 経審(経営事項審査)での加点評価
経営事項審査の評価項目において、継続教育に取り組む企業を評価する項目が設けられています。
【経審におけるCPD評価のポイント】
・評価対象: 審査基準日以前の 1 年間に、所定のCPD単位を取得した技術者の割合・実績
・加点要件: 認定プロバイダー(電気工事施工管理技士会等)から「CPD単位取得実績証明書」を取得し、審査窓口へ提出
・企業側のメリット: 技術力評価(Z評点等)が加算され、公共工事の入札ランク(Aランク・Bランク等)の維持・格上げに直結する
このため、特に公共工事を主軸とする中堅〜大手サブコン・電気工事会社では、CPD単位を保持している施工管理技士が非常に重宝される環境が生まれています。
2. 経審で加点対象となるCPD単位の「取得基準」と「認定プロバイダー」
CPD単位はどこで受講しても認められるわけではなく、国土交通省が認める「認定プロバイダー」を通じて登録・管理する必要があります。
1. 主な認定プロバイダー機関
電気施工管理技士がCPD単位を登録・管理するための代表的な認定プロバイダー機関です。
- 一般社団法人 全国電気工事施工管理技士会連合会(全電施連): 電気施工管理技士に最も特化したCPD制度を運用。
- 公益社団法人 日本建築士会連合会 / 一般財団法人 建設エンジニアリング連合(JCM): 建築・設備の総合的なCPD管理に対応。
- 一般財団法人 建設業情報管理センター(JACIC / CPDS): 主に土木・総合施工管理で普及しているCPDS(継続教育制度)。
※会社がどのプロバイダーのCPD単位を経審申請に使用しているかを事前に自社の総務・安全部へ確認しておくことが必須です。
2. 経審加点に必要な「年間単位数」の目安
一般的に、1人の技術者が経審の加点対象となるためには、1年間(審査基準日前1年間)に「30単位〜50単位程度」(認定制度の推奨単位数)を取得していることが要件となります。
1回(半日〜1日)の研修受講で2〜6単位程度が付与されるため、年間を通じて計画的に単位を積み上げていく必要があります。
3. 忙しい施工管理技士でも集められる「3つの効率的単位取得ルート」
現場代理人として日々現場に縛られている中で、効率よくCPD単位を獲得するための3つの実践ルートです。
【効率的な CPD 単位獲得ルート 3選】
ルート 1:【 Web 講習・ e ラーニングの活用(最優先)】:
・内容:技士会や指定機関が提供するオンラインeラーニング講習をパソコンやタブレットで受講する。
・メリット:現場作業後の夜間や休日の空き時間を利用して、移動時間ゼロで確実に単位(1講座あたり 1〜3 単位等)を取得できる。
ルート 2:【社内研修・新技術講習会への参加】:
・内容:自社やグループ会社が開催する「安全衛生講習」「最新施工技術セミナー」「メーカー新製品説明会」のうち、事前申請によりCPD認定された講習に参加する。
・メリット:業務時間内に受講でき、実務に直結する知識を学びながら単位が付与される。
ルート 3:【資格取得・社外発表・論文執筆】:
・内容:新たな施工管理関連資格の取得、業界誌への技術論文投稿、社外研究会での講師・発表実績。
・メリット:1回の実績で大きな単位(10〜20単位等)が一括付与されるため、一気に目標達成が可能。
4. 会社で評価される!CPD登録と単位取得の運用トラブル自衛策
せっかく講習を受けても、手続きの手違いで単位が認定されない、あるいは経審の期限に間に合わないといったトラブルを防ぐための自衛ノウハウ 3選です。
1. 形態コード・受講証明書の保存徹底
講習やセミナーに参加した際、交付される「受講証明書」や「参加受領メール」は必ず保存します。プロバイダーへの申請時、プログラムの「形態コード(講習会参加、社内教育、Web学習等の区分)」を正しく入力しないと単位が否認される原因となります。
2. 経審の「審査基準日」から逆算した早めの取得
経審の申請は会社の決算期(審査基準日)に合わせて行われます。直前になって慌てて単位を集めようとしても、証明書の発行手続きには数週間を要するため、審査基準日の2〜3ヶ月前には必要単位数をクリアしておくのが安全な運用です。
3. シニア・ベテラン施工管理技士の「自社での評価アップ」
50代・60代のベテラン施工管理技士が、現場施工だけでなく「CPD単位を毎年しっかり獲得し、会社の経審点数アップに貢献している」実績を示すことで、社内での評価が上がり、定年後の再雇用や手当交渉において優位な立場を確保できます。
5. まとめ:CPD単位の計画的取得で会社と自らの価値を高める
電気工事施工管理技士におけるCPD(継続教育)単位の取得は、単なる会社からの指示作業にとどまらず、技術者自身が最新の技術や法令を身につけ、市場価値を証明するための確実な実績となります。
経営事項審査(経審)の加点に直結するCPD単位を保持している技術者は、会社にとって公共工事の受注ランクを支える貴重な存在です。
【この記事の重要ポイントおさらい】
- 経審加点の仕組み: 認定プロバイダー(全電施連等)を通じて年間推奨単位数(30〜50単位等)を取得し、証明書を提出することで経審の加点評価が得られる。
- 効率的な集め方: 現場が忙しい場合でも、移動不要な「eラーニング・Web講習」や社内認定研修を活用することで無理なく単位を積める。
- 実務での自衛: 会社の決算期(審査基準日)から逆算し、証明書発行のタイムラグを考慮して早めに単位を確定させておく。
日々の現場で忙しいからこそ、オンライン講習などを賢く活用し、スキマ時間で着実に単位を積み上げていきましょう。
読者の皆様が今すぐ取れる行動
まずは自社の総務部や安全管理担当者に「自社が経審で利用しているCPDプロバイダー機関(全電施連、CPDS等)」を確認してみましょう。 登録機関が分かったら、さっそく専用サイトにログインし、今期受講可能な「Web eラーニング講座」のスケジュールを1つチェックして予約を入れてみてください。
CPD単位を計画的にコントロールし、会社にとっても自分にとっても不可欠な強い技術者として歩んでいきましょう。