土地の購入や古い建物の解体時、そこに残された「電柱」を見て「これは撤去できるの?」「移設にはどれくらいの費用がかかるの?」と不安を感じる方は少なくありません。
実は、電柱の所有者(電力会社やNTTなど)を確認することで、費用負担なしで撤去・移設できるケースも珍しくありません。しかし、所有者の確認を飛ばして自己判断で動いてしまうと、無駄な手続きや予期せぬ費用が発生してしまうことも……。
本記事では、北海道で電気設備工事に携わるプロの視点から、電柱の「所有者の見分け方」から「撤去・移設の判断基準」、そして気になる「費用相場」までを徹底解説します。
複雑な電柱の悩みを整理し、失敗しないための「最初の一歩」をここから一緒に踏み出しましょう。
まずはここを確認!電柱の「所有者」の見分け方
電柱の持ち主は主に電力会社・NTT・私設の3つに分けられます。なので手っ取り早くいきたい場合は、管轄の電力会社かNTTに連絡してみてください。現地確認にくるまでその日~数日はかかるかもしれませんが、直接確認を取るほうが圧倒的に早いです。
なぜなら、電力会社・NTTの電柱であれば、管理しやすいように識別番号が書かれた”管理札”が取り付けられています。もし、今邪魔だと感じる電柱に管理札らしきものが取り付けられていた場合は、電話でその番号を伝えるだけで、システム内の検索で一発でわかるからです。
この後詳しく書きますが、自分の土地に建っている電柱が電力会社またはNTTがその電柱の持ち主であれば、撤去に費用はかかりません。
- お客様との打ち合わせ
- 図面設計・予算対応など
- 工事会社発注
- 工事会社受注と諸々の申請手続き
- 着工
と長いプロセスが発生してしまうので、素早い撤去を求めているのであればたった2カ所への確認なので、電話したほうが早いです。

その電柱が電力会社またはNTTのものだった人
かかる費用は?所有地内と公道で大きく変わります
電力会社やNTT都合によって電柱が建てられている場合は、持ち出しはかかりません。
しかし、公道に建てられている電柱を、個人の都合で移設または撤去を願い出る際には自費負担がかかってしまう可能性があります。もし自己負担がかかる場合は、20〜30万円ほど請求されます。移設する電柱にどれだけの電線や電気機器があるかによっても金額が上下するかと思われます。
ただ、タイミング的にその電柱が古くて更新時期だった場合、自己負担なく移設・撤去を行なってくれる場合もあるようです。
所有地に電柱があって、まだ使ってそうな状況なら・・移設かも
電力会社またはNTTが電線を通すルートとして、”その土地に電柱を建てなければ難しい”状況であった場合、土地の使用料として1本あたり1,000円程度/年の不動産所得が支払われます。
土地との契約ではなく、土地の所有者との契約になるため、その契約を解除する必要も出てきます。また、その土地に電柱を建てる必要があった要因を”解消”できない場合、電力会社・NTTから契約の更新を求められるでしょう。
そうなると、撤去ではなく”移設”になる可能性が高いです。自分の建物への電気も、その電柱が必要かもしれないからです。そうなると、建築に影響が少なく、今後も邪魔にならない場所を持ち主と協議する必要が出てきます。
工事の期間はどれくらい?
先述したように、電力会社やNTTが電柱の持ち主であると、
- お客様との打ち合わせ
- 図面設計・予算対応など
- 工事会社発注
- 工事会社受注と諸々の申請手続き
- 着工
といったプロセスが発生します。近年は電気工事に従事する作業員も減ってきているため、3→4、4→5へのタイミングに時間がかかってしまうことケースが多いです。あらかじめ期限を設けていたとしても、その期限ぎりぎりになることも多く、相談してから半年以上かかることもあるでしょう。
また、電柱に何もついていない状態であれば着工したその日のうちに作業を完了できると思います。しかし、
- 電線や通信線がある
- 工事車両が何らかの理由で入れられない
- 複数の業者が絡まなければならない
といった状態であれば、着工してからも工事完了まで時間がかかることもあります。現時点ですでに困っていて、なるべく早く・・と思っているのであれば、できる限り手早く行動することをおすすめします。
所有者が個人のものっぽい人・解体と合わせて撤去したい人
購入した土地に電柱が建っていたその電柱は「固定資産」といったものではないため、土地の評価に含まれています。つまり、”大きな木”と同義であると考えてください。空き地に電柱が残っている場合は、建物の解体業者も電柱の撤去をしたがらなかった可能性も高いため、専門業者に発注する必要が出てきます。
もし所有者がわからない場合は、不動産屋に確認してみてください。少し上の「所有地に電柱があって、まだ使ってそうな状況なら・・移設かも」の中に、書いてあるように、もし電力会社やNTTのものだった場合は土地の使用料として金銭が発生しているはずなので、不動産屋は把握しているはずです。もし不動産屋からそのような話がなかった場合は、個人所有である可能性が高いでしょう。
個人所有の電柱はどこに頼めばいい?
電気工事や通信工事を請け負っている工事会社へ工事を依頼することをおすすめします。ただ、電気も通信も、建物の中を専門としている業者も多いので、電気工事でいえば「高圧受電設備や配電線路」なんかの事業をしてますって会社を探してみましょう。
例として私が勤める、北海道小樽市にある電気工事会社『(株)佐々木電設』では電柱の撤去だけでなく、電柱を建てる建柱作業や、電線・電気機器の取り付けなども請け負っています。
もしよろしければHPを覗いてみてください。
撤去にかかる費用は?
恐らく、売りに出された土地に電柱が残っている場合は、その土地のものとして電柱も含まれているかと思います。電柱撤去にかかる費用は、ざっくり15万円~が相場です。
その内訳として、
- 工事費
- 電柱運搬・処理費
- 交通費
- 電柱があった穴を埋める土または砂利
が挙げられます。電柱は大きさにもよりますが、12mのコンクリート製で重さ約1tほどになるため、専門業者を手配してください。配電線路と呼ばれる、電柱や電線を工事している会社であれば、電柱を撤去できる専門の工事車両である建柱車を持っているので、工事を受注してくれるはずです。
ただ、費用について以下の点だけ注意してください。
- 敷地内に工事車両が入れず、クレーンを発注しなければならない
- 電柱の腐食・劣化が激しく現地で細かくしなければならない
- 電柱になんかわかんないけど色々ついてる
こういった状況であれば請求額が上がる可能性が高いので、きちんと事前に見積もりを作ってもらい、工事会社から説明を受けるようにしてください。
【注意】その電柱、実は必要かも?(個人所有の電柱の場合)
電柱があったと言うことは、建物に電気を通す電線を”その電柱を使って”引いていた可能性が高いです。そのため、状況によっては、建築の際には邪魔でも、建物ができた後に、もう一度電柱を建てる必要があるかもしれません。
なぜ、わざわざ個人で電柱を建てたのか、その理由として考えられるのは
- 電気機器やケーブルを載せる高圧供給を受けていた
- 住宅の壁に電線を受けるボルトをつけたくなかった
- テレビなどの電波が悪い地域で屋根より高いところにアンテナをつけたかった
など、理由は様々です。
もしも今後、改めて電柱を建てる可能性がある場合は、その電柱を再利用することもできるかもしれません。コンクリート製の電柱であれば、対応年数はおよそ40年~50年(海風が当たる塩害地域を除く)であり、電柱に埋め込まれた名盤から製造された年数を調べることができます。
電柱は卸しているところによって値段が変わりますが、12mのコンクリート製で定価1本15万円ほどします。古い電柱であれば取り換えたほうがいいかもしれませんが、まだ10年程度しか経っていないのであれば、十分再利用できます。
撤去をする前に、電柱を再度建てることがないか、ぜひ検討してみてください。
電柱を建てる工事を『建柱』(けんちゅう)と呼びます。
建柱についてまとめた記事がありますので、必要な方はぜひ一読ください。

まとめ
電柱の撤去や移設は、手続きや所有者の確認など少し複雑に感じるかもしれません。しかし、手順通りに進めれば必ず解決できます。
- まずは管理札をチェック! 所有者が電力会社やNTTなら、まずは電話確認が最短ルートです。
- 費用がかかる場合もある: 公道や個人の都合による撤去には費用が発生することを知っておきましょう。
- 撤去が必要か再確認: 建物建築に必要な電線など、実はまだ役割があるかもしれません。
- 不明点はプロに相談: 所有者が不明な場合や、土地活用と合わせた撤去計画が必要な場合は、迷わず専門業者へ相談してください。
自分の土地にある電柱が「誰の持ち物か」が分かれば、やるべきことが明確になります。もし小樽市近郊で「電柱のことで悩んでいる」「建築計画に合わせて電柱をどうにかしたい」という場合は、ぜひ一度佐々木電設HPからお気軽にお問い合わせください。現場のプロが最適なアドバイスをさせていただきます。