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電気引き込み工事はどこに頼む?店舗・工場オーナーが「失敗しない」業者の選び方

「店舗の新規出店や、工場の機械増設、オフィスビルのリニューアル。
いざ物件が決まって『さあ、電気を引き込もう!』となった時、多くのオーナー様が最初にぶち当たる壁があります。

それが、『電気の引き込み工事って、結局どこに頼めばいいの?』という疑問です。

ネットで検索しても、出てくるのは『家庭用のエアコン専用コンセントの増設』や『一戸建ての電気の引き方』といった、家庭用の情報ばかり。あなたが本当に知りたい『店舗や商業ビル、工場といった商業用インフラの引き込み工事』について、詳しく書かれているサイトは中々見つからないでしょう。

ハッキリ言います。
店舗や工場の引き込み工事は、ネットで見かける『電気何でも屋』に頼んではいけません。

なぜなら、あなたの物件が「低圧契約」で済むのか、それともキュービクル(変電設備)が必要な「高圧契約」なのか、はたまた電柱から距離があって敷地内に新しく柱を立てる「建柱(けんちゅう)工事」が必要なのかによって、選ぶべき業者のタイプが全然違うからです。

もし、ここを間違えて低圧メインの業者に頼んでしまうと、『うちの技術では高圧や建柱は対応できません』と直前で断られ、オープンが数ヶ月遅れてしまう可能性も。

目先の工事費をケチって低圧で無理に引いた結果、毎月の電気代(ランニングコスト)が爆上がりして経営を圧迫する
という、最悪の事態になりかねません。

この記事では、毎日現場で図面を引き、電柱を立て、高圧設備と向き合っている電気工事のプロが、あなたの物件に本当に必要な工事の『見極め方』と、スケジュールやコストで『絶対に失敗しない業者の選び方』を、専門用語を一切使わずに親切MAXで解説します。

数分だけ時間をください。これから始まるあなたのビジネスのインフラを、最も安全で、最も安く、最もスピーディーに整えるためのロードマップをここにお置いておきます。

目次

【超重要】あなたの物件はどっち?「低圧」と「高圧」運命の分かれ道

低圧(家庭用の電気レベル)供給か、高圧(業務用:コンビニからビルまで)供給か、あなたにとって適正な方を改めて確認しましょう。どちらが必要なのか、それによって選ぶべき業者のタイプも変わってきます。まずはおおまかに区別した表を確認してみてください。

低圧高圧
特徴一般家庭に毛が生えるレベルガッツリ電気使うレベル
設備電線1〜2本電柱とキュービクル
初期費用ほぼなし1,000万円〜
業者選び必要なし
※特殊条件がなければ
必須
電気代(月)結構高いかなり抑えられる

低圧(50kW未満)

低圧引き込みに該当するのは以下の方々です。

  • 家庭用の電気(一般住宅)でもブレーカーが落ちない人
  • 動力(200v)の機械を使うけれども、50kW未満で済む

上記2点に当てはまる方は、所轄の電力会社へ「電気を引いて欲しい・または容量変更したい」との旨を連絡してください。電力会社が配電線と呼ばれる工事を従事している電気工事会社へ仕事を卸し、希望日までに供給してくれます。電柱から建物へ張られている電線(以後「引き込み線」と記載)は、電力会社所有の設備になるので費用はかかりません。

新築であるならば、住宅内の電線工事をしてくれる会社が電気のメーターもつけてくれますし、引き込み線工事をする会社との連絡も取ってくれるので、わざわざ工事会社を調べる必要はありません。

ただ、例えば小屋やガレージへの照明のための電気を、家から引きたいといった場合は、地域の電気工事業者へ依頼してください。第二種電気工事士の免許を確実に保有しているところが最低条件です。

  • ハウスメーカーやホームセンター提携の内線業者

を探すと手っ取り早くて安心して依頼できるでしょう。

もう低圧だと分かりきっている方はこの先読み進める必要はほとんどありませんが、もし「自分の建物が本当に低圧でいいのか詳しくわからない・・」という方は続きをお読みください。

低圧でいいのか?という方へ

改めて低圧というのは、簡単にいうと家庭用として扱われている電気です。電柱から建物に1本または2本の電線が引かれていて、分電盤と呼ばれるブレーカーで建物内の電気を管理しています。

電力会社との契約量によってブレーカーのA(アンペア)が決まり、基本料金もAが高いほど高くなっていきます。

ブレーカーのAは、同時に使える電気の量です。
例えばドライヤーは約10A、IHコンロを全力で使うと約30Aなので、
その他エアコンや冷蔵庫などが併用されると40Aのブレーカーでは
ブレーカーが落ちて停電してしまうという構造です。

また、50kW未満というのは、電力会社が推奨している容量です。

契約電力の大きさ
「低圧電力」は、商店や工場などでモーターなどの動力を使用され、契約電力が原則として50kW未満の方むけのメニューです。契約電力の大きさ(kW)は、ご使用になる動力機器の総容量や主開閉器容量を元に算定されています。なお、契約電力の大きさに応じて基本料金が決まります。引用:東京電力「低圧電力における契約電力の大きさや決め方について」

そのため、「大きい機械使うんだようなぁ。。」という方はこの先を読み進めてみましょう。

高圧

高圧供給に当てはまる人は以下のような方です。

  • 工場や店舗飲食店などでバリバリ電気使う方
  • 30人以上が働くオフィス

などです。高圧の電気を受ける場合は、業者選びが必要になります。なぜなら、建物内の電気工事をするいわゆる内線業者(建物の中を内線、外の工事を外線と呼びます)は、高圧設備の設置に関する技術や機械などを持ち合わせていないところがほとんどだからです。

高圧受電では、電柱・高圧機器・キュービクル・高圧ケーブルといった設備が需要家負担になります。そのため、初期費用として最低でも1,000万円はかかるでしょう。

「え!?そんなに初期費用かかるなら低圧でいいじゃん!」という声が聞こえてきますが、電気を大量に使う場合高圧の方が安く済む可能性の方が高いです。次のセクションで電気代についてまとめています。

高圧の方がトータルで安く済む?

Yahoo!知恵袋のある投稿の情報をお借りして、低圧と高圧での電気代を比較してみましょう。この方はマンションに組み込まれた11坪のテナントで飲食店を営んでいます。月当たり電灯800kWh、動力420kWh稼働されているようです。

この投稿では2023年での45,000円という話ですが、近年の電気代高騰を考えて、北海道電力の「月額の電気料金シミュレーション」で最新の電気代を計算してみましょう。

エネトクLプランBで60A契約として800kWh使用→33,656円

エネトク動力プランで30kW契約として420kWh使用→42,986円

→76,642円=62.82円/kWh

月々にこのランニングコストは痛手すぎますね・・。では高圧の場合はどうでしょうか?高圧の場合、電灯と動力を変換する変圧器という機械が需要家設備になるので、料金プランは一体化します。

こちらも北海道電力の「業務用電力:一般料金」で計算してみると、

基本料金2,693円と1kwhあたり23.4円

1,220×23.4=28,548

基本料金を足しても31,241円

驚きですよね。月々約4.5万円の差は年間約54万円に広がります。この投稿者はまだエアコンを使っていない時の電力量を記載しているので、夏場や冬場はさらに月額が高くなるでしょう。高圧受電の方も使った分だけ金額は上がりますが、低圧との電気代の差は電気を使えば使うほど広がっていきます。

もし、このテナントの規模が倍だった場合、低圧での電気代は約15万円、高圧は約6.2万円なので9万円の差になります。高圧設備の初期投資が1,000万円であれば、およそ9年で元が取れる計算になりますね。

結局、高圧引き込み工事は「どこに頼むのが正解」なのか?

高圧引き込み工事を頼める業者は、電柱を建てれて外線と呼ばれる外の電気工事に精通している会社が当てはまります。

高圧引き込み工事は以下の画像のような設備(需要家設備)を設置しなければなりません。

これは低圧設備を専門としている会社にとっては、「知識はあるけども分野が全く違う」ものになり、専用機械や資格、施工実績を持ち合わせていないところがほとんどです。

大袈裟にいうと、「エアコン設置はできるけど電柱なんて建てられないよ」みたいな感じですね。会社選びをネットを中心にやろうとするのであれば、「高圧設備」「建柱」「キュービクル」なんて言葉を並べている会社に連絡してみてください。

例えば、私が勤めている北海道の(株)佐々木電設では、過去15年以上高圧引き込みや設備の取り替えを行なっています。電力会社設備に関しては50年以上従事してきており、経験や実績は十分と言えるでしょう。もし興味がありましたら、この記事を読み終えた後にでも後にでも覗いて見てください。

電気引き込み工事は「3つのステップ」で進む〜高圧〜

では高圧引き込み工事はどのようなステップで進むのか解説していきます。

STEP
まずは各所への申請

これが一番面倒かと思います。高圧設備は電気事業法という法律の”自家用電気工作物”という呪文にカテゴライズされます。そのため、電力会社へ高圧供給の申請をするとともに、

  • 高圧設備を保守・点検する”電気主任技術者”の選任(電気保安協会など)
  • 経済産業省(産業保安監督部)への保安関連の届出
  • 消防署への火災予防上の届出

などが必要になります。

STEP
施工会社との協議

必要な容量に合わせた工事費や材料費などの見積もりのほか、電柱を建てる場所・キュービクルを置く場所などを打ち合わせしていきます。電気を使う時期はいつなのかによって、スケジュールも変わってきますし、設備を設置する場所によっても資材費や諸経費(クレーンの依頼など)が格段に変わってきます。

STEP
設備の設置工事

高圧供給の場合、需要家の設備設置のほか、電力会社関連の工事も併せて行われます。キュービクルを設置するにはコンクリートによる基礎を設けなければならないので、1日で終わる工事ではありません。また、キュービクルは製造元の方で中身を組み立てて発送されるので、発注から時間がかかることもあります。

STEP
設備検査→送電

いよいよ電気が送られる・・ときの前には、厳しい検査をしていきます。高圧という強い電気を扱う設備ですから、欠陥が放置されていれば非常に危険です。各種法令に準じた数値を得られているか、損傷を受けたものを使っていないかなど、隅から隅まで検査して、ようやく電力会社による送電が行われます。

というのが大まかな流れです。

店舗オープンに間に合わない?引き込み工事の『納期』に潜む罠

高圧供給は工事よりも設備の準備に時間がかかります。先ほどのセクションのステップ1で紹介した、各所への申請は電気工事を始める2ヶ月前にはしておかなければなりません。

また高圧設備は、需要の高まりによって品薄状態が起きかけています。さらに、キュービクルと呼ばれる設備には、高圧用のブレーカーや変圧器など様々な機器を組み立てた状態で納品されます。見積もりを取ったのち、製造業者へ発注してから1ヶ月以上はかかってしまいます

そこから工事着工となりますが、建築会社や内線業者との連携、電力会社側の設備変更工事などを考えると、動き出してから早くても6ヶ月はかかるでしょう。「設備がまだ届かない!」なんてことがないように、相談だけでもしておくといいかもしれませんね。

まとめ

「電気を引く」ための業者を探す前に、これからどれだけの電気を使うのかを明確にしておかなければなりません。将来的な”電気代”というランニングコストは、経営を苦しめる一つの要因になりえるからです。

物価高や燃料費高騰は今後も続いていくとしたら、低圧よりも高圧受電の方が将来的な上がり幅も小さく済むと予想されます。改めて、低圧と高圧の適性をおさらいしましょう。

低圧〜家庭用の電気「消費電力が比較的小さいもの」

低圧は電力会社からの推奨値として、50kW未満の動力機器を扱う場合とされています。小さなホイストクレーンや業務用冷蔵庫を1つ程度であれば、低圧受電で問題ありません。

高圧〜業務用の電気「消費電力が大きく建物の規模自体が大きい」

最近では、大型機械を使わない3階建てオフィスなんかも高圧で電気を受けるところが増えています。飲食店店舗や工場に限らず、想定される消費電力が多そうな場合は、高圧受電を検討してみましょう。

低圧にするのか、高圧にするのかによって業者選びは大きく変わります。

  • 「電柱から電気を引きたいだけ」の場合は電力会社へ
  • 建物内の電気の線も工事してほしい方はハウスメーカーやホームセンターと提携しているような電気工事店へ
  • 高圧がほしい場合は、「キュービクル施工」といった文言を謳ってる電気工事会社へ

相談して見てください。一つ注意点があります。電気工事会社の中には電柱から建物への”引き込み線”の工事代金や電線費を請求してくる会社もいるようです。これは先述したように、”引き込み線”は電力会社の設備なので持ち出し費用は一切かかりません。知見がないことを狙った悪徳業者に十分気をつけてください。

また、高圧受電をする場合、電柱を建てたり高圧機器を収めているキュービクルというものを設置します。これらについて費用やかかる時間などを詳しくまとめた記事がありますので、ご覧ください。

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この記事を書いた人

10年以上の電気工事経験のノウハウや知識を皆様に提供しています。
第二種電気工事士・第一種電気工事士・1級電気工事施工管理技士
その他:乙種危険物などの資格所持
所属している北海道の電気工事会社『(株)佐々木電設』にて、高圧受電設備の更新や新設工事を承っております。ホームページからご連絡ください。
https://sasaki-dennsetsu.com/

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