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【図解】パーセントインピーダンス(%Z)とは?定義・計算方法と短絡電流の求め方をわかりやすく解説!

電気設備の設計や短絡容量の計算、資格試験(電験三種・第一種電気工事士)で避けて通れないのが「パーセントインピーダンス(%Z)」です。

オーム法則で使う単位「Ω(オーム)」があるにもかかわらず、なぜわざわざ「%」で表すのでしょうか?

本記事では、パーセントインピーダンスの基礎概念(オーム表記との違い)から、なぜ短絡電流が簡単に計算できるのかという公式の導出、基準容量の換算方法、試験で使える実践問題まで分かりやすく解説します!

目次

1. そもそもパーセントインピーダンス(%Z)とは?

パーセントインピーダンス(%Z)とは、「定格電流が流れたときに、機器や電線の内部インピーダンスによって生じる電圧降下が、定格電圧の何%にあたるか」 を表した割合(パーセンテージ)のことです。

式で表すと以下のようになります。

%Z = (定格電流 I × インピーダンス Z / 定格電圧 V) × 100 [%]

なぜ「オーム [Ω]」ではなく「%Z」を使うのか?

変圧器や発電機、送電線など、電圧(高圧・特別高圧・低圧)が異なる機器が複雑に接続されている電力系統において、通常の [Ω] のままだと変圧比に応じていちいちインピーダンスを1次側・2次側に換算し直す必要があり、計算が非常に煩雑になります。

しかし、%Z を使えば電圧階層が異なる機器同士のインピーダンスをそのまま足し算・比較できるため、系統全体の短絡計算が圧倒的に楽になります。

2. 短絡電流(Is)を一発で求める公式と導出

%Z を使う最大のメリットは、「三相短絡事故が起きたときの巨大な短絡電流(Is)」を簡単な掛け算・割り算だけで算出できる点にあります。

短絡電流の計算公式

短絡電流 Is = 定格電流 In × (100 / %Z)

つまり、「定格電流の(100 / %Z)倍の短絡電流が流れる」 ということを意味しています。

なぜこの公式になるのか?(導出の理由)

短絡事故が起きると、負荷(抵抗)がなくなり、系統のインピーダンス Z だけが残るため、短絡電流 Is は「Is = V / Z」となります。

  1. %Z の定義式を変形する:%Z = (In × Z / V) × 100これを Z について解くと ➔ Z = (V / In) × (%Z / 100)
  2. 短絡電流の式(Is = V / Z)に代入する:Is = V / [ (V / In) × (%Z / 100) ]
  3. 分母と分子の V を約分して整理する:Is = In × (100 / %Z)

このように、回路の電圧 V やインピーダンス Z [Ω] の具体的な値を知らなくても、「定格電流」と「%Z」さえ分かれば一瞬で短絡電流が計算できるのです!

パーセントインピーダンスの定義と短絡電流Isが100/%Z倍になる理由の解説図

3. 重要!「基準容量(Base KVA)」の揃え方

複数の機器(変圧器、発電機、ケーブルなど)の %Z を合成して全体の短絡電流を計算する際、最も注意すべきなのが「基準容量(基準MVAまたは基準kVA)の統一」です。

銘板に記載されている %Z は、それぞれの機器の定格容量(自己容量)をベースに記載されているため、そのまま足し算することはできません。

容量換算の公式

%Z は「容量 P [kVA] に比例する」 という性質を持っています。

換算後の %Z2 = 換算前の %Z1 × (変更後の基準容量 P2 / 従来の基準容量 P1)

例えば、「自己容量 500kVA で %Z = 3%」の変圧器を、系統の基準容量である「10,000kVA(10MVA)」に換算する場合:

・ 換算後の %Z = 3% × (10,000kVA / 500kVA) = 60%

容量を大きい方に揃えると、それに比例して %Z の値も大きくなります。

パーセントインピーダンスの基準容量換算(自己容量から基準容量への変換)の解説図解

4. 計算問題に挑戦!現場・試験での実践活用

実際の試験問題に近い形式で、短絡電流を計算してみましょう。

【問題】

三相 6.6kV 回路において、基準容量 10,000 kVA における電源側から事故点までの合成パーセントインピーダンスが %Z = 5.0% であった。この地点で三相短絡事故が発生したときの「短絡電流 Is [A]」を求めよ。

【解答・解説】

  1. 基準容量における定格電流 In [A] を求める:三相電力の公式 P = √3 × V × I より、In = P / (√3 × V)In = 10,000,000 [VA] / (1.732 × 6,600 [V])In = 10,000,000 / 11,431.2 ≒ 874.8 [A]
  2. 短絡電流の公式(Is = In × 100 / %Z)に代入する:Is = 874.8 × (100 / 5.0)Is = 874.8 × 20 = 17,496 [A] ≒ 17.5 [kA]

答:約 17.5 kA(17,496 A)

(この大きな短絡電流に耐えられる遮断器の定格遮断電流を選定する根拠になります)

📜 根拠となる法令・規格・公的出典

本記事の内容は、以下の公的規格および法令に基づいて記載しています。

準拠規格: 日本産業標準調査会(JISC)JIS C 4620(キュービクル式高圧受電設備)

受電設備内の短絡強度、遮断器の選定およびパーセントインピーダンスに基づく短絡電流計算の基準が定められています。

関連技術基準: 日本電気協会『内線規程』第3115節「過電流遮断器の遮断容量」

通過する可能性のある最大の短絡電流に耐え、かつ安全に遮断できる遮断容量を持つ遮断器(VCB等)の施設が義務付けられています。

試験出題例: 一般財団法人 電気技術者試験センター「電験三種(電力・機械科目)」「第一種電気工事士 筆記試験」にて、%Zの容量換算および短絡電流・遮断容量の計算問題が頻出。

まとめ:%Z をマスターして短絡計算を攻略しよう!

パーセントインピーダンス(%Z)のポイントを整理します。

定義: 定格電流が流れたときの「内部電圧降下の割合(%)」

メリット: 電圧階層が異なる回路でもインピーダンスをそのまま計算・合成できる

短絡電流公式: Is = In × (100 / %Z)(%Zが小さいほど短絡電流は大きくなる)

注意点: 合成計算時は、すべての %Z を同じ基準容量(Base kVA)に換算してから足し算する

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この記事を書いた人

10年以上の電気工事経験のノウハウや知識を皆様に提供しています。
第二種電気工事士・第一種電気工事士・1級電気工事施工管理技士
その他:乙種危険物などの資格所持
所属している北海道の電気工事会社『(株)佐々木電設』にて、高圧受電設備の更新や新設工事を承っております。ホームページからご連絡ください。
https://sasaki-dennsetsu.com/

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